仕事スキル

【初心者向け】チェックシートとは?QC7つ道具の使い方・作り方を解説

「チェックシートって何のために使うの?」
「チェックリストとは違うの?」
「製造現場では、どのように作ればいいの?」

品質管理やQC活動を始めたばかりの方は、このような疑問を
持つことがあるのではないでしょうか。

 

チェックシートは、製造現場で発生している不良・ミス・異常・
作業状況などのデータを、簡単に記録・集計するための表
です。

 

特に製造業では、
 ・どんな不良が多いのか
 ・いつ不良が発生しているのか
 ・どの設備で異常が多いのか
 ・どの作業でミスが発生しているのか

などを把握するために活用されています。

 

そして、チェックシートで集めたデータは、その後のパレート図・
ヒストグラム・散布図・特性要因図などの分析
にもつなげることができます。

 

この記事では、製造業の初心者向けに、
 ・チェックシートとは何か
 ・チェックリストとの違い
 ・チェックシートを使う目的
 ・チェックシートの作り方
 ・製造現場での具体例
 ・集めたデータの分析方法
 ・失敗しないためのポイント

をわかりやすく解説します。

チェックシートとは?

チェックシートとは、必要なデータを漏れなく記録・集計するために、
あらかじめ項目を整理した表
です。

 

製造現場では、例えば次のようなデータを記録します。
 ・キズ不良
 ・汚れ不良
 ・寸法不良
 ・塗装不良
 ・設備異常
 ・作業ミス
 ・異常発生時間
 ・発生場所

チェックシートを使うことで、発生した問題をその場で記録できます。

 

例えば、製品100個を検査して不良を確認する場合、
「キズ」「汚れ」「寸法不良」「塗装不良」などの項目を
あらかじめ用意しておき、発生するたびに「正」の字や
チェックを入れていきます。

 

すると、作業終了後には、

不良項目 件数
キズ 20
汚れ 12
寸法不良 8
塗装不良 5

のように、どの不良が多かったのかを簡単に把握できます。

 

つまりチェックシートは、
「現場で発生している事実を、データとして集めるための道具」
と考えると分かりやすいでしょう。

チェックシートとチェックリストの違い

「チェックシート」と「チェックリスト」は似ていますが、
目的が少し違います。


チェックリスト

チェックリストは、作業の抜け漏れを防ぐために使われます。

 

例えば、
 ・作業前点検を実施した
 ・工具を確認した
 ・材料を確認した
 ・設備条件を確認した
 ・作業終了後の清掃を実施した

というように、実施したかどうかを確認します。


チェックシート

一方、チェックシートは、発生したデータを記録・集計すること
主な目的です。

 

例えば、

不良内容 午前 午後 夜勤 合計
キズ 5 3 8 16
汚れ 2 4 3 9
寸法不良 1 2 5 8

というように、発生した事象を記録します。

 

簡単にまとめると、
 チェックリスト → 作業の抜け漏れを防ぐ
 チェックシート → データを記録・集計する

という違いがあります。

QC7つ道具の一つとして考える

チェックシートは、品質管理で使用されるQC7つ道具の一つです。

 

QC7つ道具には、それぞれ役割があります。
 ・チェックシート → データを収集・記録する
 ・パレート図 → 問題の優先順位を決める
 ・ヒストグラム → データの分布やばらつきを見る
 ・散布図 → 2つのデータの関係を見る
 ・特性要因図 → 原因を整理する
 ・管理図 → 工程が安定しているか確認する
 ・グラフ → データを見える化する

 

QC7つ道具を一つずつ詳しく理解したい方は、
こちらの記事も参考にしてください。

QC7つ道具とは?品質管理で役立つ7種類の使い方とメリットを解説👇

チェックシートを使う目的

チェックシートを使う目的は、単純に記録を残すことだけではありません。

 

大きく分けると、次の4つがあります。


① データを簡単に集める

チェックシートを使う最大のメリットは、
現場で発生したデータを簡単に集められることです。

 

例えば、不良が発生するたびに記録していけば、
 「今日はキズが何件発生したのか?」
 「どの不良が一番多いのか?」

などを確認できます。

 

感覚だけで判断するのではなく、実際のデータを使って
判断できるようになります。


② 不良や異常の傾向を把握する

チェックシートに記録したデータを集計すると、
問題の傾向が見えてきます。

 

例えば、
 キズ:30件
 汚れ:15件
 寸法不良:8件
 塗装不良:5件

という結果になった場合、「キズ不良が最も多い」という事実が分かります。

 

このように、問題を数字で把握できることがチェックシートの
大きなメリットです。


③ パレート図などの分析につなげる

チェックシートで集めたデータは、そのまま分析に活用できます。

 

例えば、
 チェックシート
 ↓
 不良件数を集計
 ↓
 パレート図を作成
 ↓
 重点的に改善する不良を決める

という流れです。

 

パレート図は「何を優先して改善するのか」を決めるときに便利な手法です。

パレート図の作り方|QC7つ道具を使った原因分析を
 初心者向けにわかりやすく解説👇


④ 原因分析のきっかけを作る

チェックシートでデータを集めると、
 「夜勤に不良が多い」
 「設備Bだけ異常が多い」
 「特定の作業でミスが多い」

などの傾向が見つかる場合があります。

 

このようなデータが、原因分析のスタートになります。

チェックシートの作り方【5ステップ】

チェックシートは、次の5ステップで簡単に作成できます。


STEP1:何を調べたいのか決める

最初に、何のためにデータを集めるのかを明確にします。

 

例えば、
 「キズ不良の発生状況を調べる」
 「設備異常の発生件数を調べる」
 「作業ミスの種類を調べる」

などです。

 

ここが曖昧だと、必要のない項目まで増えてしまいます。


STEP2:記録する項目を決める

次に、実際に記録する項目を決めます。

 

例えば、製品の不良調査なら、
 ・キズ
 ・汚れ
 ・寸法不良
 ・塗装不良
 ・その他

などです。

 

現場で実際に発生する可能性がある項目を考えます。


STEP3:誰でも記録できる形にする

チェックシートは、誰が使っても同じように記録できることが重要です。

 

例えば、「異常が発生したら記録する」
だけでは、人によって判断が変わる可能性があります。

 

そこで、
「キズが確認された場合は、キズ欄に正の字を1つ記入する」

など、具体的なルールを決めます。


STEP4:実際に現場で使ってみる

作成したチェックシートを、いきなり本番で使うのではなく、
実際の現場で試してみましょう。

 

確認するポイントは、
 ・記入しやすいか
 ・項目が多すぎないか
 ・記入する場所が分かりやすいか
 ・記入漏れが発生しないか

です。

 

使いにくいチェックシートは、現場で定着しません。


STEP5:集計して分析する

最後に、集めたデータを集計します。

 

例えば、
 キズ:30件
 汚れ:15件
 寸法不良:8件
 塗装不良:5件

という結果になったとします。

 

ここから、「どの問題を優先して改善するべきか?」

を考えます。

 

このときに役立つのがパレート図です。

製造現場で使えるチェックシートの具体例

例えば、製品の不良発生状況を調べるとします。

不良チェックシート

日付 キズ 汚れ 寸法不良 塗装不良 その他
7/1      
7/2 正正      
7/3    
7/4 正正正      
7/5    

このように記録しておけば、後から集計できます。

 

例えば5日間の合計を、
 ・キズ:8件
 ・汚れ:3件
 ・寸法不良:2件
 ・塗装不良:1件
 ・その他:1件

と整理できます。

 

このデータを使ってパレート図を作れば、
どの不良から改善すべきなのかがさらに分かりやすくなります。

チェックシートで集めたデータをパレート図につなげる

チェックシートとパレート図は、非常に相性の良い組み合わせです。

 

例えば、
 ① チェックシートで不良を記録する
 ↓
 ② 不良項目ごとに件数を集計する
 ↓
 ③ パレート図を作成する
 ↓
 ④ 件数の多い不良から改善する

という流れです。

 

つまり、
 チェックシート=データを集める
 パレート図=集めたデータから優先順位を決める

と考えると分かりやすいでしょう。

チェックシートとヒストグラムを組み合わせる

チェックシートで集めるデータによっては、ヒストグラムに
つなげることもできます。

 

例えば、製品の寸法を測定して記録した場合、
 10.01mm
 9.98mm
 10.03mm
 10.05mm
 9.97mm

などの測定値が集まります。

 

このような数値データの分布やばらつきを確認したい場合は、
ヒストグラムが役立ちます。

【初心者向け】ヒストグラムとは?作り方・見方をわかりやすく解説👇

 

ヒストグラムでは、
 「データがどこに集中しているか?」
 「ばらつきが大きくないか?」
 「データが偏っていないか?」

などを確認できます。

チェックシートと散布図を組み合わせる

チェックシートで集めたデータから、2つの数値の関係を
確認することもできます。

 

例えば、
 ・温度と不良率
 ・膜厚と電圧
 ・作業時間と不良件数
 ・設備条件と品質データ

などです。

 

「温度が高くなると不良率も高くなるのでは?」
という仮説がある場合、データを集めて散布図にすると、
2つのデータに関係性があるかを視覚的に確認できます。

【初心者向け】散布図とは?作り方・見方・相関関係をわかりやすく解説👇

 

ただし、散布図で関係性が見つかったとしても、
それだけで原因と断定することはできません。

 

関係性を確認した後は、現場確認や他の分析手法を
組み合わせることが重要です。

チェックシートと管理図を組み合わせる

時間の経過による工程の変化を確認したい場合は、
管理図も活用できます。

 

例えば、1時間ごとの膜厚をチェックシートに記録し、
そのデータを時系列で確認します。

 

「時間が経つにつれて膜厚が変化していないか?」
「工程が安定しているか?」

などを確認する場合には管理図が有効です。

【初心者向け】管理図とは?QC7つ道具の使い方・
  見方をわかりやすく解説👇

 

チェックシートは単独で使うだけではなく、
他のQC7つ道具へデータをつなぐ入口として考えると、
より効果的に活用できます。

チェックシートと特性要因図を組み合わせる

チェックシートでデータを集めた結果、「キズ不良が多い」ことが
分かったとします。

 

しかし、ここではまだ、「なぜキズが発生しているのか?」
までは分かりません

 

そこで、原因を整理するために特性要因図を使います。

 

例えば、
 チェックシート
 ↓
 キズ不良が30件発生
 ↓
 特性要因図
 ・人
 ・設備
 ・材料
 ・方法

の視点から原因を整理という流れです。

【初心者向け】特性要因図(フィッシュボーン)の正しい書き方👇

特性要因図から「なぜなぜ分析」につなげる

特性要因図で原因候補を整理した後は、さらに原因を
深掘りすることができます。

 

例えば、
「工具が適切に管理されていない」

という原因候補が見つかったとします。

 

そこで、

 なぜ?
 ↓
 工具がバラバラに保管されている

 なぜ?
 ↓
 工具の保管場所が決まっていない

 なぜ?
 ↓
 工具管理のルールがない

というように、原因を深掘りしていきます。

 

これがなぜなぜ分析です。

製造業の新人がつまずく「なぜなぜ分析」をわかりやすく解説👇

チェックシートを作るときの5つの注意点

① 項目を増やしすぎない

「あれも記録したい」「これも必要」と項目を増やしすぎると、
記入する人の負担が大きくなります。

 

本当に必要な項目に絞りましょう。


② 誰が見ても分かるようにする

担当者によって記録方法が変わってしまうと、
正しいデータが集まりません。

 

「何を」「いつ」「どのように」記録するのかを明確にします。


③ 現場で記入しやすい場所に置く

チェックシートは、必要なときにすぐ記録できることが重要です。

 

記録場所が遠かったり、記入方法が複雑だったりすると、
記入漏れにつながります。


④ 後から集計しやすくする

チェックシートは「集めること」が目的ではありません。

 

集めたデータを分析し、改善活動につなげることが目的です。

 

そのため、「後から集計しやすいか?」という視点で作ることが重要です。


⑤ 記録したデータを放置しない

せっかくチェックシートでデータを集めても、
集計して終わりでは意味がありません。

 

データを分析して、
 「何が問題なのか?」
 「どこから改善するのか?」
 「原因は何なのか?」

までつなげることが重要です。

チェックシートを活用した品質改善の流れ

最後に、製造現場での活用方法をまとめます。

 

 STEP1:問題を決める
 ↓
 STEP2:チェックシートを作る
 ↓
 STEP3:現場でデータを集める
 ↓
 STEP4:データを集計する
 ↓
 STEP5:パレート図・ヒストグラム・散布図などで分析する
 ↓
 STEP6:特性要因図で原因を整理する
 ↓
 STEP7:なぜなぜ分析で原因を深掘りする
 ↓
 STEP8:改善を実施する
 ↓
 STEP9:管理図などで改善後の状態を確認する

 

このように、チェックシートは品質改善活動のスタート地点として
非常に重要な役割を持っています。

チェックシートを使った改善活動を成功させるコツ

チェックシートを作っただけでは、品質改善にはつながりません。

 

重要なのは、
「データを集める → 分析する → 原因を調べる → 改善する」
という流れを作ることです。

 

例えば、
 チェックシート
 ↓
 パレート図
 ↓
 特性要因図
 ↓
 なぜなぜ分析
 ↓
 改善活動

という流れを作れば、感覚だけに頼らず、データを使った改善ができます。

 

また、改善活動を継続するためには、PDCAを回すことも重要です。

中堅社員必見、PDCAを回す方法を簡単解説👇

まとめ|チェックシートは品質改善のスタート地点

チェックシートは、製造現場で発生している不良や異常などのデータを、
簡単に記録・集計するためのQC7つ道具です。

 

今回のポイントをまとめると、
 ・チェックシートはデータを記録・収集するための道具
 ・チェックリストは作業の抜け漏れ防止が主な目的
 ・不良や異常の傾向を把握できる
 ・パレート図などの分析につなげられる
 ・数値データならヒストグラムにも活用できる
 ・2つのデータの関係を見るなら散布図が使える
 ・原因を整理するときは特性要因図が役立つ
 ・真因を深掘りするときはなぜなぜ分析を使う
 ・改善後の工程確認には管理図も活用できる

ということが重要です。

 

チェックシートは、単にチェックを付けるだけの表ではありません。
「現場で起きていることをデータとして見える化し、
改善につなげるための入口」
と考えると、その重要性が分かります。

 

製造現場で問題が発生したときは、まず事実をデータとして
集めることから始めてみましょう。

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KING

上場企業に30年間勤務し、海外駐在も経験してきました。 現在は3人の子どもを育てる53歳の会社員です。 本ブログでは、会社員としての実体験をもとに、 仕事の進め方や考え方、海外での生活・旅行先の情報を発信しています。 日々の仕事に悩む方や、海外に興味を持つ方の ヒントになる情報をお届けできれば幸いです。