仕事スキル

パレート図の作り方|QC7つ道具を使った原因分析を初心者向けにわかりやすく解説

「どこから改善すればいいの?」と悩んでいませんか?

 

仕事で不良品やクレーム、ミスが発生したとき、

 ・「原因がたくさんあって何から改善すればいいかわからない」
 ・「優先順位を決められない」
 ・「改善活動をしても思うような成果が出ない」

このような経験はありませんか?

 

実は、発生している問題を大きい順に並べるだけで、
優先的に改善すべき原因が見えてくる便利な手法があります。

 

それがパレート図です。

 

パレート図はQC7つ道具の一つであり、多くの製造業や
品質管理部門で活用されています。

 

この記事では、
 ・パレート図とは何か
 ・作り方
 ・見方
 ・現場での活用例
 ・改善活動で成果を出すポイント

を初心者にもわかりやすく解説します。

 

パレート図はQC7つ道具の一つです。

 

QC7つ道具全体について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

→ QC7つ道具とは?品質管理で役立つ7種類の使い方とメリットを解説👇

パレート図とは?

パレート図とは、問題や不良の発生件数を多い順に棒グラフで並べ、
その累積割合を折れ線グラフで表したグラフです。

 

簡単に言えば、
「何を優先して改善すれば最も効果があるか」を見える化するグラフ

です。

 

例えば工場で100件の不良が発生した場合、

不良内容 件数
キズ 40
汚れ 25
寸法不良 15
変形 10
その他 10

このデータを件数の多い順に並べることで、
最も優先して改善すべきなのはキズであることが一目で分かります。

パレート図が重要な理由

改善活動では、すべての問題を一度に改善することはできません。

 

そのため、影響が大きい問題から順番に改善することが重要になります。

 

例えば
 ・クレーム100件
 ・不良100件
 ・作業ミス100件

が発生していても、実際には20%程度の原因が80%以上の問題を
引き起こしていることが多くあります。

 

これはパレートの法則(80:20の法則)として知られています。

 

つまり、重要な原因を先に改善することで、短期間でも大きな
改善効果が期待できます。

 

改善活動を継続的に成果へつなげるためには、PDCAサイクルを
回しながら効果を確認することが重要です。

 

改善の進め方を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

→ 【初心者向け】PDCAとは?仕事で成果を出す回し方と
  具体例をわかりやすく解説👇

パレート図を使うメリット

① 優先順位が明確になる

改善活動では、「何から手を付けるべきか」が最も重要です。

 

パレート図を作れば、影響の大きい問題が一目で分かります。


② 改善効果が高い

例えば
 ・キズ40件
 ・汚れ25件
 ・寸法15件

なら、まずキズ対策を実施するだけで全体の40%を
改善できる可能性があります。


③ 会議資料として分かりやすい

数字だけでは伝わりにくい内容も、パレート図なら
誰でも理解できます。

 

そのため
 ・QCサークル
 ・改善提案
 ・品質会議
 ・管理職への報告

でも多く利用されています。


④ 改善前後を比較できる

改善前
 キズ40件

改善後
 キズ15件

このようにパレート図を作成すると、改善効果が一目で分かります。

 

改善活動は一人ではなく、チームで取り組むことでより大きな成果に
つながります。

 

QCサークルの進め方やテーマ選定については、こちらの記事で
詳しく解説しています。

→ 【初心者向け】QCサークル(小集団活動)とは?
  進め方の流れとテーマ決めのコツ👇

パレート図を作るために必要なデータ

パレート図を作る前に、まずデータを集めます。

 

例えば1か月間の不良件数を集計します。

不良内容 件数
キズ 40
汚れ 25
寸法不良 15
変形 10
その他 10

ポイントは、同じ基準でデータを集計することです。

 

例えば
 ・1日だけ
 ・1週間だけ
 ・ランダムに集計

では正しい分析ができません。

 

データを正しく集めて管理するには、QC工程表を
活用することが重要です。

 

管理項目や測定方法を標準化したい方は、こちらの記事をご覧ください。

→ QC工程表とは?製造業での役割をわかりやすく解説👇

パレート図の作り方【Excel】

Excelなら5分程度で作成できます。


STEP1 データを入力する

 

項目 件数
キズ 40
汚れ 25
寸法不良 15
変形 10
その他 10

 


STEP2 件数の多い順に並べ替える

Excelの

データ → 降順

で並べ替えます。


STEP3 累積件数を求める

例えば

 40

 40+25=65

 65+15=80

 80+10=90

 90+10=100

となります。


STEP4 累積割合を計算する

累積件数÷合計件数×100

 例

 40÷100=40%

 65÷100=65%

 80÷100=80%

 90÷100=90%

 100÷100=100%


STEP5 グラフを作成する

Excelで挿入 → 組み合わせグラフを選択します。

 

 ・棒グラフ=件数
 ・折れ線グラフ=累積割合

を設定すれば完成です。

 

完成すると、「どの不良が全体の何%を占めているか」
が一目で分かります。

 

パレート図で改善対象を特定したら、次は原因を整理することが
重要です。

 

原因分析には特性要因図(フィッシュボーン図)が役立ちます。

→ 【初心者向け】特性要因図とは?原因分析の進め方と
  具体例をわかりやすく解説👇

現場での活用事例

例えば自動車部品工場で、1か月間の不良を集計したところ、
 ・キズ:42件
 ・汚れ:21件
 ・塗装ムラ:14件
 ・寸法不良:8件
 ・その他:5件

という結果になりました。

 

パレート図を作成すると、キズと汚れだけで全体の約60%以上
占めていることが分かります。

 

そこで、まず「キズ」と「汚れ」の対策に重点を置いて改善活動を
実施した結果、不良件数を大幅に削減できました。

 

このように、パレート図は限られた時間や人員で最大の改善効果を
得るための優先順位付けに役立ちます。

パレート図の読み方と活用方法

パレート図は作るだけでは意味がありません。

 

「どこを改善すれば最も効果があるか」
を見つけることが目的です。

 

ここでは、実際の読み方を解説します。


① 棒グラフが高い項目を確認する

例えば、不良件数が

不良内容 件数
45
異物 30
寸法不良 15
変形 7
その他 3

だった場合、最初に改善すべきなのは傷」になります。

 

一番多い問題から改善することで、大きな成果が得られます。


② 累積比率を見る

累積比率は「全体の何%を占めているか」を示します。

 

例えば
 ・傷・・・45%
 ・異物・・・75%
 ・寸法不良・・・90%

となっていれば、上位2項目だけで75%を占めています。

 

つまり傷」・「異物」を改善するだけで、多くの不良を
減らせる可能性があります。

 

パレート図を使うことで、
「どの問題を優先して改善するべきか」を判断できます。

 

しかし、改善対象を決めた後に、その問題に関係するデータが
どのように分布しているのか、ばらつきが大きくないのかを
確認することも重要です。

 

例えば、パレート図で「塗装不良」が多いことが分かった場合、
次に塗装膜厚などの測定データを確認すると、
ばらつきや偏りが見えてくることがあります。

 

このように、パレート図で「何を改善するか」を決め、
ヒストグラムで「データがどのような状態なのか」を確認することで、
より効果的な改善活動につなげられます。

→ 【初心者向け】ヒストグラムとは?作り方・見方・
  活用例をわかりやすく解説👇


③ ABC分析に活用する

パレート図ではよく
 ・Aランク(約70〜80%)
 ・Bランク(約15〜20%)
 ・Cランク(残り)

に分類します。

 

例えば

Aランク
 ・傷
 ・異物

Bランク
 ・寸法不良
 ・Cランク
 ・その他

限られた改善時間をAランクへ集中させることで、効率よく成果を出せます。

製造現場での活用事例

事例① 不良分析

製品不良を集計すると
 ・キズ
 ・打痕
 ・バリ
 ・異物

など様々な不良があります。

 

パレート図を作成すると「キズだけで全体の50%」
ということが分かり、改善活動をキズ対策へ集中できました。


事例② 設備故障

設備停止時間を
 ・センサー故障
 ・モーター異常
 ・エア漏れ
 ・PLC異常

で分類すると、センサー故障だけで60%を占めていました。

 

結果として、センサー交換周期を見直すことで停止時間を
大幅に削減できました。

 

設備トラブルや品質異常を未然に防ぐには、日頃から5S活動を
徹底することも重要です。

 

整理・整頓・清掃・清潔・しつけの基本は、こちらの記事をご覧ください。

→ 【初心者向け】5Sとは?意味・目的・メリットをわかりやすく解説👇


事例③ クレーム分析

お客様からのクレームを
 ・傷
 ・汚れ
 ・誤梱包
 ・納期遅れ

で分類すると、傷が最も多いことが判明。

 

傷対策を優先することでクレーム件数を減らすことができました。

 

改善内容を工程へ反映するには、QC工程表の作成も欠かせません。

→ 実例付き|QC工程表の書き方👇

パレート図を作るときの注意点

データ数が少なすぎないか

件数が数件しかない場合、正しい傾向は分かりません。

 

できるだけ一定期間のデータを集めましょう。


分類を細かくしすぎない

分類が多すぎると重要な項目が見えにくくなります。

 

5〜10項目程度が見やすい目安です。


最新データを使う

改善後も古いデータを使うと現状を正しく判断できません。

 

定期的に更新しましょう。

パレート図だけでは原因は分からない

パレート図は「何が多いか」は分かります。

 

しかし「なぜ起きたのか」までは分かりません。

 

問題と関係する要因を調べるなら散布図

パレート図によって「どの問題を優先して改善するか」が分かっても、
その問題がどの要因と関係しているのかまでは分かりません。

 

例えば、不良の中で「キズ」が最も多いことが分かった場合、
次に「作業時間」「設備条件」「温度」など、どの要因と
不良が関係しているのかを確認することがあります。

 

このように、2つのデータの関係性を確認したい場合は散布図が役立ちます。

→ 【初心者向け】散布図とは?作り方・見方・相関関係をわかりやすく解説👇

 

そのため、原因を調べるには
 ・特性要因図
 ・なぜなぜ分析
 ・QC工程表

などと組み合わせることが重要です。

 

原因を深掘りする方法は、なぜなぜ分析のやり方を参考にしてください。

→ なぜなぜ分析とは?品質管理のプロが現場での実践方法を解説👇

 

原因を整理するには、特性要因図の書き方もおすすめです。

→ 【初心者向け】特性要因図(フィッシュボーン)の正しい書き方👇

よくある質問(FAQ)

Q1. パレート図はExcelで作れますか?

はい。Excelの棒グラフと折れ線グラフを組み合わせることで
簡単に作成できます。


Q2. パレート図は製造業以外でも使えますか?

もちろんです。

 

営業、事務、コールセンター、病院、物流など、
データを分析するあらゆる業務で活用できます。


Q3. 件数以外でも作れますか?

はい。
時間、金額、コスト、クレーム件数など、
数値で表せるデータなら作成可能です。

 

言語データを分析する手法を学びたい方は、
新QC7つ道具の解説記事もおすすめです。

→ 【新QC7つ道具とは?】初心者にもわかる使い方をわかりやすく解説👇

まとめ

パレート図は、「重要な問題から優先的に改善する」ための
QC7つ道具です。

 

今回のポイントを振り返ると、
 ・パレート図は改善の優先順位を決められる
 ・上位20%の要因が全体の約80%を占めることが多い
 ・Excelでも簡単に作成できる
 ・製造業だけでなく、営業・事務・サービス業でも活用できる
 ・特性要因図やなぜなぜ分析と組み合わせると、
  より効果的な改善活動ができる

まずは身近なデータを使ってパレート図を作成し、
改善活動に役立ててみましょう。

KING

上場企業に30年間勤務し、海外駐在も経験してきました。 現在は3人の子どもを育てる53歳の会社員です。 本ブログでは、会社員としての実体験をもとに、 仕事の進め方や考え方、海外での生活・旅行先の情報を発信しています。 日々の仕事に悩む方や、海外に興味を持つ方の ヒントになる情報をお届けできれば幸いです。